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価格査定の方法と成約価格 

2020.05.07 

不動産の査定方法とはどんなものか。自宅を「売ろうかな?」と考えた時、まずは価格査定をしてみましょう。
それを理論立てて説明するものが「取引事例比較法による価格査定」です。
自宅の価格査定をして各社からの査定金額について疑問を感じた時、それを見極めるための方法をお伝えします。

戸建の査定方法

戸建の査定方法は不動産会社により若干の差はありますが、一般的に「土地」「建物」をそれぞれ分けて査定します。「土地」については「取引事例比較法」により「土地の価格」を算出します。
取引事例比較法とは、査定地と立地などが似た「事例地」の取引価格から査定価格を求める方法です。
駅からの距離、道路幅や向き、下水処理方法、など様々な項目を比較・採点し、1平米あたりの単価を求めた後、土地面積を掛けて土地の査定価格を算出します。

「建物」については「原価方式」でその価格をもとめます。
「原価方式」とは、査定物件と同等の建物を新築する場合の価格を、査定対象の建物の使用建材などから算出し築年数やリフォーム状況等を加味する方法です。
算出した「土地価格」と「建物価格」の合算価格についても、広さ地域性など、実際の市場で売りやすいかなどを考慮し「市場調整率」を乗じ最終的な査定価格が決定します。

マンションの査定方法

マンションの場合、土地と建物に分けて査定を行うと、算出された査定価格が実勢価格と相違してしまうため、土地と建物を一体として「取引事例比較法」によって査定価格を算出します。
査定マンションと立地などが似た「成約事例」を選び、その取引価格から査定価格を求める方法です。
通常は査定マンションと同じマンションを成約事例に選定し、項目ごとに比較・採点することで1平米あたりの単価を求めた後、専有面積を掛けて、マンションの査定価格を算出します。
市場性に影響する特別な要素がある場合は、「市場調整率」を乗じ最終的な査定価格が決定します。
マンションの場合の「市場調整率」の要素は、例えば、近隣エリア内で同等物件の需給バランスや近隣物件の販売価格、新築物件の有無などです。

査定価格と成約価格

複数の不動産会社へ査定依頼をしてみると、それぞれの査定価格が違うということがあります。
これは、不動産会社によって比較する成約事例物件が違ったり、市場動向の見方に相違があったりするためです。
成約事例の多くは不動産流通機構より共通のデータを取得しますが、成約報告率は売り出し物件の0~15%のためこのデータを査定の全ての根拠にすると実勢価格との間にズレが生じる可能性があります。
その為、不動産会社によっては流通機構には登録されていない取引データを独自で収集していることがあります。

査定価格は「成約予想価格」であり、「必ず売れる価格」や「その設定で売らなければならない価格」でもありません。
そのため、売主様は査定価格を販売価格の参考としご自身の希望に沿った価格設定で販売をスタートすれば問題ありません。
実際に査定価格より高く売却できたり、その逆となることも、少なくありません。
また、査定価格を上回る住宅ローン残高があり、売却資金では住宅ローン残高を返し切れない場合は、足りない分を自己資金で賄うか、または相場より高い金額で販売をしなくてはならないというケースもあります。
売却依頼をする不動産会社を決定する際は、提示された査定価格のみでなく、物件を含めた周辺環境の知識や、熱意、対応の良し悪し、担当者との相性などを考慮して決定する方がよいでしょう。

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